亜臨界水とは

亜臨界水とは?

亜臨界水とは、水の臨界点(374℃、22.1MPa)よりも低い温度と圧力の状態にある水のことを指します。臨界点とは、液体と気体の区別がつかなくなる点であり、この臨界点よりも低い温度と圧力で、水は液体と気体の両方の性質を併せ持つようになります。

亜臨界水の特性

亜臨界水は、通常の液体水や水蒸気とは異なる特徴的な性質を持っています。

  • 溶解性の変化: 温度と圧力を変化させることで、極性物質だけでなく非極性物質も溶解させやすくなります。これは、亜臨界水の誘電率が大きく変化するためです。
  • 反応性の変化: 温度が高いことから、化学反応が促進されます。また、水のイオン積が変化するため、酸・塩基反応や酸化還元反応が促進される場合があります。
  • 密度と粘度の変化: 温度と圧力によって密度と粘度が大きく変化します。これにより、物質移動速度や反応速度が変化します。

亜臨界水の利用

亜臨界水のこれらの特性を活かして、様々な分野で利用されています。

  • 廃棄物処理: 有機性廃棄物の酸化分解、ダイオキシン類の分解など
  • 物質合成: ナノ粒子合成、高分子合成など
  • 抽出: 天然物からの有用成分の抽出、食品からの脂質の抽出など
  • 洗浄: 金属部品の洗浄、半導体製造プロセスなど

亜臨界水のメリット

  • 環境負荷の低減: 水を媒体とするため、有機溶媒に比べて環境負荷が低い。
  • 高効率: 高温高圧下での反応のため、反応速度が速く、エネルギー効率が高い。
  • 選択性: 温度や圧力を調整することで、目的の物質を選択的に生成したり、抽出したりすることができる。

亜臨界水のデメリット

  • 高圧装置が必要: 高圧下での反応を行うため、高圧装置が必要となり、コストがかかる。
  • 腐食性: 高温高圧下では、装置の腐食が問題になる場合がある。
  • 安全対策: 高温高圧の流体を取り扱うため、安全対策が重要。

まとめ

亜臨界水は、その特異な性質から、従来の技術では困難であった処理や合成を可能にする新しい技術として注目されています。しかし、高圧装置が必要であったり、安全対策が重要であったりするなど、課題も残されています。

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